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断捨離2024.08.19

事務所の出来事なのですが、夏季休暇を利用して今まで作ってきた模型を思い切って全て処分しました。

事務所の断捨離のため、そして頭の中のリセットのためです。更に別の理由もあるのです。ここ数年の間に模型を作る機会がめっきり減ってきたのです。というのも今までは物件ごとに建物のプロポーションや室内から隣家がどう見えるかなど模型で検討してきました。

もちろん依頼者に説明するためにも大切な作業のひとつでしたが、今はPC上で仮想空間など、より現実的な建築空間が確認できる事が理由のひとつです。もう一つ処分の理由は、事務所に残された模型はコンペで選ばれなかったものや発注者と意見の食い違いから実現しなかった模型がほとんどで、別の場所でその案の一部を使えないか、などなど未練タラタラな状況の打破も理由なのです。

と言う訳で、事務所内が随分とすっきり、そして私の頭の中もすっきりした盛夏の とある日の出来事でした。

 

養蚕集落と鉄山と鉄馬(オートバイ)2024.08.12

この夏、5月の連休以来のツーリングに出かけました。昨年は東北を3日間巡ってきましたが、今年は台風、地震など不安があり大人しく日帰りで集落を散策してきました。
今回は夏の晴天に恵まれた日だったので、本能的に涼しい里山方面へ向けてオートバイを走らせました。目的地は群馬県の山と川に恵まれたところ。まずはツーリングの人気ルートで有名な嬬恋パノラマラインをのんびりと高原野菜を散策しながら走り、途中休憩しようと広い空き地を見つけバイクを停めたところ先客が休憩中。イギリス製バイクでソロツーリングを楽しんでいるという名古屋から来た方と暫し談話を楽しみました。「長野はいいですね。少し走れば気持ち良いツーリングルートがあり」「あの山は浅間山ですか?」, etc.

高原で休憩後、最初の目的地へ。群馬県吾妻にある重要伝統的建造物保存地区に選定された「六合赤岩地区」を散策しました。ここは養蚕が盛んであった集落で、いぶし瓦と漆喰壁で統一された自然風景に溶け込んだ集落でした。道は細く曲がりくねり、そしてアップダウンもある集落は造成などされず自然のままの良い雰囲気。丁度お昼ごろの散策だったのか、人影が見当たらず残念でした。夏の正午の晴れた日差しは強烈で、水分補給をしたいと思ったところ、本を無償提供している本小屋を発見。小屋前のベンチに腰掛け暫し水筒に入れてきた冷たい麦茶を飲みながら、静かな集落で目と耳を澄まし休憩していると、ガラス戸の開閉音や鳥のさえずりが聞こえてきました。人の営みと動植物の生活が調和しているように聞こえたのは私の思い過ごしでしょうか。そこには電子音の無い、とても癒しの場に思えました。

その後、集落の近くに「旧太子駅」があり向かいました。ここは昭和45年まで旅客として営業されていたようですが、その前は鉄石?運搬用の駅だったようです。

線路と並行して残っているコンクリートの構築物は恐らく鉄石(鉄粉?)を下の運搬車両に落とすための施設かと。帰り際にこの受付をしていた女性に近くの集落について話したところ、どうやら保存地区に住んでいる方のようでした。最後に集落の住民と話が出来て良かった!


この後、四万温泉で汗を流そうと考えていましたが、余計に汗が出そうなので帰ることにしました。帰りは草津温泉から志賀草津ルートを走り夕方帰宅。
20年前から今回のように細い路地を散策できる移動手段としてオートバイを乗り始めましたが、この日は道中「立ゴケ」しそうな場面も数回あり危険を伴うことに我ながら認識。帰路の頭の中ではオートバイを降りようか、もうしばらく乗り続けようか迷い続けた日でした。そしてその結論にはしばらく時間が掛かりそうです。

我が家のこと2024.07.23


最近自宅のリノベーションを漠然と考えています。
耐震性能や断熱性能そして歳を取ったせいか今後の階段の上り下りも少し心配になってきたからなのです。25年以上前にお盆休みを利用して一週間ほどで描き上げた自宅の設計図ではありますが、暮らしに潤いもあり、我ながら気に入っております。が、そろそろ…あちらこちらで傷みも出はじめ手を入れる時期かな と。で、図面に手を入れ始めたのですが、小さな住宅に、どうしてどうして手間取っております。

話は少し反れますがスペイン王カルロス1世がこんな事を口にしたそうです。
「世界のどこにでもある建物を作るために世界のどこにも無い建物を壊してしまった」
世界遺産になっているコルドバにあるメスキータをレコンキスタによりイスラム建築からキリスト建築に作り替えられた際に発した言葉のようです。

我が家はメスキータのような偉大な建築物ではありませんが、少なくともリノベーション後に「失敗した!」なんて後悔はしたくないものです。
数十年後にこの住宅が別の家族から愛情を注がれているのか。それとも解体され、ありふれた住宅になってしまわないか。そんなヨコシマな妄想も頭の片隅に思い浮かべながら週末の自宅リノベ設計を楽しんでおります

 

年末の東寺で2024.01.21

京都の東寺です。
2023年12月31日23時過ぎ、紅白番組を見終わり小雨のなか、ホテルからライトアップされている東寺まで歩くと目に飛び込んできた五重の塔。しばし心を奪われました。

前日は鞍馬寺からトレッキングしたのですが、久しぶりに山道を歩いた影響で膝痛発症!東寺までの道のりは徒歩15分ほどの距離でしたが、膝が痛いのです。そんな状況でしたがこのライトアップで痛みが和らぎました。

お花見は吉野で..改め古都の旅へ 其の52023.10.09

4月10日 晴れ

奈良最終日。ホテルに荷物を預け歩いて奈良公園を散策をしました。まず初めに前回の奈良滞在で見ることのできなかった興福寺(国宝館)にある「阿修羅像」。まだ団体旅行客が少ない今回は、朝一番に少し並んでゆっくり鑑賞することが出来ました。京都にある広隆寺の弥勒菩薩の優しい顔と比べ、阿修羅は幼い顔?でありながらその眼光はどこか鋭いようにも見えました。小さな国宝館でしたが時間を掛けてゆっくり拝観できて大満足!

その後東大寺方面へのんびりと散策しながら向かいました。奈良公園には海外の観光客が多く鹿との写真撮影を楽しんでいました。それにしても店の人たちは鹿の糞の掃除が大変そうですが、これも神の使いゆえ仕方ないのでしょうね。

東大寺は何回か見学しましたが、鎌倉時代の東大寺の模型があったのは今回初めて知りました。前回までは観光客が多く人混みが嫌いな私は足早にスルーしてしまったのでしょうね。鎌倉時代の東大寺は唐招提寺にも似ていてどちらかというとこの時代の東大寺が好きになりました。



奈良最後の目的地は「奈良ホテル」
コロナ禍の頃はここも格安で宿泊できたのですが、それを逃してしまった事を今も後悔していたのでランチだけでも!と立ち寄りました。私には縁のないクラシックホテルは落ち着いた別世界です。お腹も満たされたので腹ごなしに宿泊先まで散歩しました。その後車に荷物を積んで帰りは大神神社、長谷寺経由で帰宅しました。(完)


そうそう、今回は二月堂までは行けなかったのですが、次回はお水取りの時に行きたいなぁなどと妄想しております。

お花見は吉野で..改め古都の旅へ 其の42023.10.08

4月9日 晴れ(後半)

大神神社を後にして明日香村へ向かいました。明日香村はのどかな山村地域で好きな場所です。そして今回初めて訪れた飛鳥寺。


この寺の大仏様(通称:飛鳥大仏)が以前勤めていた事務所の上司にすごく似ているのです。それに魅かれて尋ねたのではないのですが、実物を目の当たりにしてやはりどこか似ていて親近感が…なんて不謹慎ですね。そしてこの大仏様の顔の向きが少し右向きになっているのも興味深いところです。理由をご住職から聞いたところ、橘寺の方向を向いているのだとか。この時代の大仏様は面長で京都より奈良の大仏様といった印象ですね。


つづいて飛鳥大仏様の見ている橘寺へ。ここは聖徳太子誕生の地で有名な寺。駐車場の桜は見事に散ってしまっていましたが、境内の普賢像桜がなんとか花を咲かせていました。春の奈良散策は建築探訪など忘れ、こんな季節を感じながらの寺巡りがいいですね。いつもの旅は眉間に皺を寄せ建築巡りに精を出しのんびりすることがあまりないのです。

境内には飛鳥時代のなんと愛くるしい二面像なる顔をも。こんな石像は奈良には沢山あるのも興味津々です。

明日香村で最後に訪れたのが岡寺。ここは少し標高が高い山麓にあるため桜も青空に精一杯頑張って最期の花を付けていました。岡寺は厄除けの寺なのですね。この場所に来るまで知らずにいたのですが、ちょうど厄年だった私、厄払いの良い機会を頂きました。目的があって訪れる旅も良いですが、こんな偶然の賜物に感謝です!

奈良に来ると必ず訪れる大好きな薬師寺と唐招提寺へ。
10年ほどの改修工事を終えた薬師寺の東塔を13年ぶりに眺め、(また来たよ)と、ため口でつぶやいて…晴天の下での再会でした。

薬師寺から唐招提寺へは丁度よい散策路で好きな道のひとつです。唐招提寺は相変わらず均整の取れた金堂にうっとり。閉館近くで観光客も少なかったのでしばらく眺めておりました。

「明日香村こぼれ話」
明日香村は車で巡っていましたが、それぞれのお寺さんには専用駐車場があって、ほとんど無料だったかと思うのですが、私が利用した駐車場が何と有料。お寺に隣接した駐車場で親しげに話しかけ寺の案内までして頂いたので、てっきりお寺さんの専用駐車場と思っていましたが、なんと私有地の駐車場。場所によってはお茶を出して和菓子まで提供(販売)している駐車場もあり、利用する側からすると有難い駐車場でもありました。ある私設駐車場の方に伺ったのですが明日香は遺跡類が多く、農地でありながら農作業が効率的にできず仕方なく駐車場や、イチゴハウスで生計を立てているとの事。駐車場代返せ!など思わず、こんな事情を聞くことができ、細やかではありますが貢献になったのかな、なんて、おこがましいですね。(つづく)

お花見は吉野で..改め古都の旅へ 其の32023.09.10

4月9日 晴れ
この日は奈良の町を離れ車で移動しました。古事記や日本書紀にも記録があるという日本最古の道「山の辺の道」の出発点へ車を走らせました。目的は神様の山「三輪山」の麓にある大神神社(おおみわじんじゃ)です。ここも日本最古の神社だとか。

大神神社の駐車場に9時30分ごろ到着したのですが、ほぼ満車状態にびっくり。係員に尋ねたところ「春の大神祭」だとか。参道は大木に覆われ厳かな佇まいで神の領域へと誘う感がヒシヒシと伝わります。残念ながら拝殿等は大神祭の神事に列席する方々で占められ落ち着いて参拝することは許されませんでした。狩衣というのでしょうか神主さんが着る奇麗な色の衣装(赤、黒、青、白)を身にまとった神職?10名程が列を成して参道から歩いて目の前を通り過ぎて行きました。駐車に苦労の甲斐あって貴重なお祭りを拝見できましたが、肝心の拝殿などを近くで参拝することが出来ず残念。と思ったので翌日も訪問しました。
(つづく)

お花見は吉野で..改め古都の旅へ 其の22023.08.19

2023年4月8日 曇り時々雨

いつものように車に荷物を積み込み奈良へ向け出発。長野自動車道から名神経由で亀山ICまで高速道路を利用し、それから高速道路のような国道25号線で天理まで。天理には見たい施設があって初めてこの街に足を踏み入れたのですが、天理教の街だけあって宗教施設が街を占める様は一種独特の雰囲気がありました。目的地は天理駅前。ここに「駅前広場コフフン」があります。名前の通り駅前のイベント空間を奈良に多く点在している古墳をイメージしたイベント広場です。当日は残念ながら雨のため利用禁止。白い塗装が汚れ防止の仕様なのか雨で滑りやすく足元がおぼつかないのです。施設に入ることが出来なく残念ですが写真を撮ってここを後にしました。


その後「中川政七商店本社」へ。ここは外壁の色使いや単調な面からなる外壁をリズム感のある屋根で特徴付けている面白さがあり、自分の目で見てその特徴を感じ取りたかった施設。で、この会社名に妻が反応を示したのです「ここの店は有名だよ、せっかく奈良に来たのだから寄ってみたい!」とスマホを手に取りショップ地図を私にかざして…

ホテルのチェックイン時間も過ぎたので一旦ホテルに入り、ベッドでウトウト…。雨雲が夕方には青空へと変わり、午睡もして元気になったのでホテル前から出ているバスで奈良公園方面へ。公園を鹿と共にのんびり散策しながら久しぶりに訪れた東大寺。何回訪れても木造の建造物としてはその大きさに圧倒されてしまいます。

拝観時間を過ぎているため周辺を散策しながら中川政七商店のショップへ。なるほど素材感が良さそうな商品が目を惹き一点だけお買い上げ。

(つづく)

 

命の洗濯2023-復活の夏 序2023.08.15



しばらくコロナ禍で中止していた「命の洗濯」シリーズを再開しました。真夏の酷暑になぜか心が動いた奥只見。大雨に見舞われながら目にした東日本大地震跡の海岸線。今回はお盆休暇を利用して東北を巡った3日間です。(つづく)

お花見は吉野で..改め古の旅へ 其の一2023.05.25

2023年4月8日 曇り時々雨
桜といえば奈良県の東に位置する吉野が有名ですね。その桜を求めて奈良へ行ったのですが、今年の桜開花は例年と較べ早すぎて吉野の上千本まで桜は既に葉桜の模様。そこで急遽奈良のお寺と仏像巡りに変更した癒し旅の記録です。(つづく)

年越しは京都で 其の五2023.05.05

2023年1月1日 晴れ

ホテルで正月らしく少しのんびりした後、チェックアウト。ホテル駐車場には我々のような旅行客(県外ナンバー)の車ばかり。
比較的空いている京都市内の名所を車から眺めながら最後の目的地「大原」へ向かいました。大原へは国道367号線を福井方面へ向かって山道を進んでいきます。大原といえばシバ漬ですね。前回の京都旅行の際、大原で初めて買ったシバ漬けが美味しく、今回は正月なので予め京都駅で購入しておきました。京都市内から1時間ほど走り大原のバス停近くの駐車場を発見。ここに車を停めて徒歩で三千院を目指します。今までは大原付近の駐車場は混雑して車を停めるのに一苦労でしたが、今回は元旦の午前中だけあって駐車場は空いていました。呂川沿いの大原女の小道をしばらく歩くと三千院の御殿門が現れました。お正月だけあって立派な松飾りが門扉を引き立てていて、改めて日本の文化の素晴らしさを感じました。

三千院は苔の庭と簡素なお堂(往生極楽院)との調和がとても美しいと個人的には思います。この小さなお堂に大和座りの大きな阿弥陀様を納めるため天井を船底に折り上げている事でも有名ですね。今回の三千院は人が少なくのんびり拝観出来て幸運でした。

こんな「わらべ地蔵」を探すのも楽しいですね。

最後に金色不動堂脇で御朱印を頂き、近くの休憩所で休もうとすると、中で手招きしているご婦人方と目が合い引き込まれた先が、無料で振舞っているという梅茶のコーナー。有難く頂くと、しばらくして営業トークの嵐。仕方ないのでひとパック購入させて頂きました。これで京都の名所めぐりはすべて終わり、高速道路も安全運転で帰りの途につきました。

最後に、安全運転に功を奏したのか車の燃費が今までで最高!安全運転は人にも地球にも優しいですね。(完)

年越しは京都で 其の四2023.05.04

2022年12月31日 晴れ時々曇り
前日と同様ホテル近くのレンタサイクル店で自転車を借りて東寺に向かいました。晴れた朝の自転車が気持ちよく、凝り固まった頭(脳)が古都京都の風景も後押しして解れていくようです。東寺を訪れたのは何回目だっただろう、私にとっては京都のシンボルと思うこの寺には京都に来る度に訪れていた記憶があります。春と夏の東寺は確かオートバイで、秋の東寺は車で、そして冬の東寺は自転車で。とうとう四季を通してこの寺に足を運んだことになりました。

続いて初めて踏み入れた町「壬生」へ。新選組の屯所があった場所のようです。屯所旧跡でもある八木家を見学し、見学料に含まれていた「屯所餅」と抹茶を屋外の野立てに腰を下ろし、時間をかけて頂きました。自転車で疲れた体には良い糖分補給?かな。ここで友人達に送る新年挨拶の画像をスマホに撮ってちょっぴり加工。

弥勒菩薩、そう小学校?の教科書でお馴染みの菩薩像が安置されているのが広隆寺。修学旅行以来の訪問になりました。参道脇から分かれた先の大型バスが停められる大きな駐車場は、私がかつて修学旅行でバスから降りた場所なのかな。なんて想像するのも楽しいものです。仏教も仏像にも疎い私でも霊宝殿に安置されている弥勒菩薩像のあの姿と微笑み(アルカアイクスマイル)は仕事に疲弊している心を穏やかにしてくれるようです。何がそうさせるのか、建築を生業としている私にはその黄金比や白銀比なるものを知りたいという好奇心が同時に生まれました。これは神聖な場所では邪念でしたね。

広隆寺を後にして時代劇のセットがある場所で有名な太秦は心躍る何かが無かったので通り過ぎ仁和寺へ。ここは門跡寺院だけあって格式のあるお寺という印象です。せっかくの門跡寺院でしたが道中自転車で坂道を走った影響で疲れ果て、気持ちの余裕が足りず堪能とはとても言えない状況でした。一日で見学する内容に欲張りがありましたね。今回は見ることが出来ませんでしたが、境内の人の目線に花を持つ八重咲桜-御室桜(オムロザクラ)が有名らしいのですが、次回はこの桜を見る機会を作ってみようかと思います。

帰りは京都駅方面へ下り坂を体力温存で走り、なんと!31日の大晦日にもかかわらず、ホテルへの帰り途中雰囲気の良いおでん屋さんを発見。中を覗くと常連客らしき地元?の方々が小さなカウンターに満席状態でしたが、やさしい店主さんは我々の席を作ってくれ、京都の味を堪能することが出来ました。とても美味しいおでん、特に大根が今まで食べた大根おでんのなかで一番でした。今年最後に口にした料理が一番というのはうれしいですね。と言いつつ、ホテルで紅白を見ながら緑のたぬきを食べて…(つづく)