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プレファブと手作り2018.04.27

【晴天の上棟式】
上棟式を迎えた住宅です。上棟式の当日、夕方になると帰宅途中の学生が多いことに初めて気が付くという設計者としては少し恥ずかしい出来事でした。車の往来やごみ集積場、そして外灯の有無などのチェックは勿論、どんな人が何時歩いているか….建築設計では大切な調査ですね。
そんな失態を感じつつ「わー住宅建ててる!」「あんな風に家建てるんだ~」と通り過ぎる学生の声が聞こえてきました。モノを創る身としてはなんだかこの言葉が嬉しいですね。最近の家はプレファブが多く、作っているというより組み立てているといった感じなので新鮮に見えたのでしょう。この先ロボットが家を作る時代が来るのかは分かりませんが、手作りの良さは何事にも代え難いものだと思います。
写真ではシンプルに見える外観ですが、実は、よーく見ると、何かが複雑です!

燕子花(かきつばた)2018.04.18

5月の連休の計画は未だたっておりませんが、以前コラムに執筆したこんな休日もいいのかな
そんなことを考えながら…
今は無き昔のHPシリーズ  コラムをご覧ください

【今は無きコラム其の三】

尾形光琳の燕子花(かきつばた)の図で有名な場所へ行ってきました
ここは本当に東京の青山なのか、と思うほど静かで広大で、そして起伏に富んだ庭園があります。庭園内には根津美術館があり、そこに有名な国宝「燕子花図屏風」が展示され、丁度今が庭園の燕子花と合わせて鑑賞できる絶好の季節
尾形光琳の描いた燕子花と庭園に咲く燕子花。私には菖蒲(あやめ)との区別も付きませんが、コトワザの通り甲乙つけ難い美しさがあり、手入れの行き届いた庭には本物の燕子花が綺麗な花をつけておりました。光琳の描いた燕子花図は金を多用した立派な屏風絵ですが、ここには当時の最先端であろう一つの花をトレースして転写する技術が採用されているようです。今の用語で言うとコピー・ペーストといったところでしょうか。構図が美しいから出来る技ですね

この日は良く晴れた穏やかな一日で、周辺の施設では結婚式なども多いのか、花嫁姿を何人か見かけました。そして、この庭園内にいくつも点在している茶屋でお茶会なのでしょうか、着物を着た夫人が列をなして颯爽と無言で歩く姿に思わずカメラを向けてしまいました。今年の連休は仕事の予定もあり、思い切って休めませんが、こんな日本の文化に触れる休みもたまには良いものだと感じた一日でした。 (現在進行中の参考にと、あらゆる建物に目を光らせた一日でもありましたが…)

 

あーどこかに行きたい!(2013年5月執筆)

エージング2018.04.11

引き渡し間近のお客さんから「購入したバイオリンと共に空間のエージングが楽しみです」
と言葉を頂いた。丁度読みかけの雑誌に次のような建築家(浦一也氏)の言葉が綴られてびっくりした。

 

最近新しくつくられた建築物は出来上がった時が一番美しく、それから時と共に「みすぼらしく」なっていく。・・・・・「エージング」という時間は空間づくりのテーマになっていない。

 

昔からの手作りと、天然素材で造った建物は、現代に無い「味」を持っていると思います。それは社寺仏閣や欧州の古い街並みにみられる、古くなって一層の美しさが感じる仕掛けのようなもの。古くは黄金比、白金比、そして白銀比など美しいと感じるプロポーションがある。このプロポーションと自然の素材が調和された時、人は美しいと感じるのではないでしょうか。一方最近の街を俯瞰すると、既製品の人工素材と間取りや外観が一緒の住宅が目に付きます。それは経済最優先の結果から出来てしまった住宅街ですね。

オートバイで町並みウォッチングが好きな私としては30年後、50年後の街並みに魅力を感じません。
写真は近江八幡-ロンダからの街並み-角館-トレド-南禅寺周辺  どの景色も心に残っています。

私の原風景2018.04.03

4月に入り急に気温も上昇し、ここ長野でも桜が咲き始めました。
今は無き昔のHPに執筆したコラムを、今後少しずつご紹介するなかで
【桜】の写真が目に留まりましたのでご紹介致します。
写真の画質も荒いのですがご了承ください

【今は無きコラム其の二】

5月の連休はどこも混んでいるので、空いてる道をあてもなく進むと偶然にも「高野辰之記念館」にたどり着いた。
高野辰之という人物の詳細は詳しく無かったため、あまり期待せずに記念館へ。
内部の展示方法は建築的にはあまり魅力は無かったのですが、
この人物は【ふるさと】【もみじ】【春が来た】【おぼろ月夜】【春の小川】 など
小学校の時に習う唱歌の作詞者だったことがわかりました。
30年以上前に覚えた歌が今も歌えるほど有名な唱歌ばかりです。
この唱歌は曲より詩が印象的で良く覚えています。
当時は何もわからず、ただ口ずさんでいた唱歌ですが、
今はこの詩の情景を思うと心が穏やかになります。

子供の頃は損得考えず、ひたすら無邪気に遊んでいた頃の情景が思い出されます。
この記念館は長野県中野市という町にありますが、生家も近くにありますので、
近くにお越しの際は是非お立ち寄りください。
この記念館の近くには【ふるさと】に出てくる「小フナ釣りしかの川」があり、
【おぼろ月夜】の「菜の花畠」「見渡す山の端」もこの町(村)には残っています。
近年日本のあちこちで「残したい風景・まち」などの記事を目にしますが、
ただただ均一的でグローバルスタンダードな建築だけではなく、
これから日本の原風景になりうる情景を設計していきたいと改めて思いました。
帰りの車の中で相棒は唱歌を思い切り大きな声で歌って….

こころ おだやか (2006年 執筆)

手作りということ2018.03.27

今は無き昔のHPに執筆したコラムを、今後少しずつご紹介したいと思います
写真の画質も荒いのですがご了承ください

【今は無きコラム其の一】

この写真は私の家族が創ったリースです。
材料は布です。白い布を染料で染め上げ、その布をコテで葉の形に形成していきます。
細かな仕事で時間も掛かります。
しかし一つしかないこの作品は、多少出来が悪くとも愛着が湧くものです。
住宅も同じではないでしょうか。
熟慮した住宅は機能的にもデザイン的にも美しさが感じられます。
一方、ハウスメーカーなどで建てた工業化住宅(プレハブ住宅)はなぜかそれが感じられません。
機能的に考え抜かれた住宅なので性能は良いのでしょうが、
プレハブ住宅だけの街など想像したくありません。
同じ材料、同じ間取り、そして屋根の形状が少し違うだけ。
九州でも北海道でも。どこか寂しく愛着が湧きません。
こんな街が私の住む地区にも生まれようとしているのが実情です。

みなさん時間を惜しまずもっと手作りしましょう。(2006年執筆)

既製品の寄せ集めでは出来ない美しさ2018.02.05

2年に一回のペースでお客さんでもある病院の定期調査をしており、先日も現地に出向きました。ここは古さは隠せませんが、なんだか趣のある空間で私は好きです。安い建材で出来た建物が古くなると目を覆いたくなるものですが、人間の手作り感がこのような落ち着いた表情を見せるのでしょうか。20年、30年先に愛着が持てる空間を創るには…
設計者は考えることがいっぱい。

オリーブの樹2018.01.14

オリーブの葉は薄い緑色でこの葉がとても好きです。スペインやイタリアそしてトルコで良く見かけたこの樹。そして「平和」「知恵」「勝利」の象徴としての樹を自分でも育ててみようと思いました。
ことの経緯はこんなのとから….
休日に近くの造園店へ散歩の途中立ち寄りました。そこにはオリーブの樹が雪をまとい、あの乾燥した陽射しの強い地域で見かけたオリーブとはまるで印象の違う姿に興味深深。店員の方から長野の寒冷地でも育つとの説明を受け、とりあえず事務所の観葉植物として購入しました。以前新潟の住宅を設計した際、豪雪地帯にも係わらず、屋上庭園にオリーブを地植えしましたが、そのオリーブも少しずつ成長している様子。以外にもオリーブという樹は寒さにも雪にも、ほどほどに耐えられるようです。事務所でのオリーブ育成実験で問題なければ今度は我が家の庭に地植えの実験もしたいなと考えています。

また、2年前に頂戴した高価なサンセベリアも事務所との相性が良く、成長著しく今年の春は株分けするほどになりました。潤いに欠ける事務所もこうして緑を少しずつ増やし、住宅と同じように癒しの空間にしたいものです。

新年から取り留めのない話となりましたが、弊所も9日から通常通りの業務となっております。
昨年同様本年もどうぞよろしくお願い致します。

初戦敗退2017.12.25

事務所を立ち上げて初めてのプロポーザルコンペに参加しました。長野市にある保育園の提案でしたが、構想からプレゼンまで1ヶ月と充実した日々を過ごしました。結果は落選で体はボロボロですが、なぜか心は清々しい気分です。協力頂いた皆様!ありがとうございました。来年もコンペに挑戦できればと思います。

イタリア製というモノ2017.11.04

事務所の打ち合わせコーナーに時計を付けました。「kartell」-カルテルというイタリアのブランドですが、トーヨーキッチンで購入出来ます。実はこの時計の裏にはエアコン用のコンセント口がありまして、「設計事務所としてどうよ」と言われそうなほど赤い壁にコンセントが目立つ存在でした。これで打ち合わせコーナーも改善され、打ち合わせ中の時刻も何となく分かります。

話は変わりますが、最近世の中の動きが早すぎて、物事を決めるスピードも速く、値段は安く、品質は最高でないけれど、そこそこ。使い捨てのように感じます。なんだか決めるスピードや値段が優先され、愛着が沸くかあるいは長く使えるかなんて考えずチョイスしているように思えてなりません。

あまり意識はしてなかったのですが、所有している乗り物はイタリア製が多くなってきました。運転するには気難しいところもありますが、愛着があります。車の方は既に11年目に突入です。また今の時期晴れているとオートバイで紅葉狩り!なんて最高の気分転換です。

オーディオ室の設計と黄金比2017.10.31

現在工事中のオーディオ室のある住宅です。音環境というものは奥が深く、様々な専門家と取り組んでいる案件です。配線の性能や仕上げ材の強度や硬さなども目下精査中。建築的にはフラッターエコー対策として部屋の形を台形とし、天井も勾配天井にしていますが、強度を確保するのが難しく着工して5ヶ月でようやく方向性が見えてきました。これは建築基準法の強度とは別に、音圧でビビリ音を防止するための強度確保で、これがまた厄介なのです。またリスニングポジションの位置もカルダス式等さまざまな方式を使い決定づけられます。面白いですね。なんだか大学で音響の講義を実践しているようで。しかし生演奏と違いスピーカーから発する音を最良の環境で聞くことを前提にしているので残響時間なども劇場ホールなどと違い苦労の連続です。こんな作業を繰り返して分かってきたことがあります。黄金比という言葉を聞いた事がある方も多いかと思いますが、音環境を良くしていくと、デザイン面でも黄金比と呼応するのか空間のプロポーションが良いのです。これまた完成が楽しみです。そして何より施工会社が面倒がらず対応して頂いていることが心強くもあり申し訳無くもあります。

「反省!と反省!と反省!」2017.09.27

ネコの額ほどのちっちゃな庭が我が家にはあります。先日の週末、良く晴れた気持ちよい日でした。何をすることも無く、ただただデッキでボーっと珈琲で寛いでいると、どこからとも無くキンモクセイの香りが漂い、そして隣の家からはピアノの音色。あ~我が家はいいな。とつくづく思いました。ふと庭を見ると庭には草花が咲いているではありませんか。普段庭の手入れは相方任せで、何を植えているのかも知りません。こんなのでは設計者としては失格!ですね。

翌日、事務所に出社したところ、事務所のキンモクセイも甘い香りを発しているではありませんか。いつもデスクワークと現場の作業状況ばかり見ていて、一番大切な自然が織り成す季節というものを見ていない自分にまたまた反省!
そういえば知人からメールで「中秋の名月に…..」
アラアラ こんな気持ちが高ぶる季節も忘れておりました。反省!

何はともあれ、これから一番気持ちよい季節。寂しい晩秋になる前に自然を堪能しようと思います。

単純な四角形は好きではありません2017.09.08

基礎工事が完了した住宅です。
写真では、わかりずづいのですが、この住宅は平面が長方形ではなく、少し斜めの壁で構成されています。
弊所の設計では良くある事ですが、施工するのが大変で、設計監理も実は大変だったりします。
今回も設計図の通り基礎を施工するまでに何回も図面であるいは現場で確認-訂正の繰り返し。
でも完成した時の空間の豊かさは、四角形の単純な住宅とは比べものになりません。だから敢えてお客さんには提案してきました。完成が楽しみです。