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「設計者の職能」2019.12.03

長野市では現在2021年に完成予定の信濃美術館工事の真っ只中。先日、設計者である宮崎浩氏の講演会も兼ねた現場見学会もあり参加してきました。この講演会は設計の取り組み方を見つめ直す良い機会を頂いたように思います。
講演会のなかで何度か「職能」という言葉がでてきました。職能とは設計者の責任において解決しなければならない事柄です。最近の設計者は「この案(デザイン)いかがですか」と依頼者に確認を取り了解を得たら進めるといったデザインの責任放棄をしている。これは職能放棄だと。それは依頼者の了解を得ないで勝手に設計を進めることではなく、設計者が何もない空間に線を引くこと、その線には社会性や未来への責任ある線(デザイン)が存在するのか、それを説いているのだと受け止めました。一方、全ての問題解決を設計者が受け持つのでは無く、依頼者が検討解決すべき事案と設計者が解決しなければならない内容を明確にすること。それがより良い設計につながるのだと。なるほど、最近設計姿勢に迷いがありましたが、少し頭がすっきりしたように感じた講演会でした。


フリーハンド!2018.06.07

事務所から歩いて行ける距離の現場です。が
本日はとても暑いので車で現場に出向きました。
暑い中、とても丁寧な大工さんがコツコツ造って頂いている住宅ですが、
久しぶりに現場でフリーハンド!

玄関のポーチに入る開口部ですが、
今回の住宅は外壁が曲面で構成しているため
入り口も曲線で。

なかなかいい感じに出来てきました。

プレファブと手作り2018.04.27

【晴天の上棟式】
上棟式を迎えた住宅です。上棟式の当日、夕方になると帰宅途中の学生が多いことに初めて気が付くという設計者としては少し恥ずかしい出来事でした。車の往来やごみ集積場、そして外灯の有無などのチェックは勿論、どんな人が何時歩いているか….建築設計では大切な調査ですね。
そんな失態を感じつつ「わー住宅建ててる!」「あんな風に家建てるんだ~」と通り過ぎる学生の声が聞こえてきました。モノを創る身としてはなんだかこの言葉が嬉しいですね。最近の家はプレファブが多く、作っているというより組み立てているといった感じなので新鮮に見えたのでしょう。この先ロボットが家を作る時代が来るのかは分かりませんが、手作りの良さは何事にも代え難いものだと思います。
写真ではシンプルに見える外観ですが、実は、よーく見ると、何かが複雑です!

リノベーションで蔵から音楽ホールへ2018.04.16


長野マラソンのあった週末、8年69回目を迎えた音楽コンサートに行ってきました。今回は4重弦楽奏ということで、音楽に疎い私には全てが新鮮に聞こえます。
設計から8年経過したこの音楽ホールは、元々蔵として使われていたもの。それを音楽ホールにしたいとの相談があり今日に至りました。この場に佇んでいると、どうやら町の文化交流の場になりつつあるように私には見えました。隣り合わせの紳士との会話も楽しく「今年はプラハに行く予定で、毎年行ってます」「トスカーナ地方の農家ホテルは・・・」など欧州音楽旅の話も楽しく聞くことができたことは、旅行好きの私としては思わぬ収穫でもありました。そして いつも毎回満員御礼!
下段の写真は前回のコンサート時に撮影したものですが、楽器というのは単なる道具ではなく芸術品ですね。このチェンバロの形や色は建築の参考にもなりそうです。

工事契約2018.02.21

住宅の着工に向け昨日、無事工事契約が完了しました。
偶然にも同年代の施主と施工者と私。今年の夏完成予定ですが、工事中の出来事など何回かブログにも登場させたいと思います。写真は設計途中の模型ですが、完成まで外観は秘密にしておきます。

既製品の寄せ集めでは出来ない美しさ2018.02.05

2年に一回のペースでお客さんでもある病院の定期調査をしており、先日も現地に出向きました。ここは古さは隠せませんが、なんだか趣のある空間で私は好きです。安い建材で出来た建物が古くなると目を覆いたくなるものですが、人間の手作り感がこのような落ち着いた表情を見せるのでしょうか。20年、30年先に愛着が持てる空間を創るには…
設計者は考えることがいっぱい。

外観は目立たなく・・・2018.01.27

2018年3月引き渡しに向けて現在工事中の住宅です。「外観は目立たなく、中はお洒落に」との依頼で始まった住宅ですが、外観も少し自己主張しております。

事業所内保育所の着工2018.01.17

昨年の暮れにようやく助成金の決定通知が下りた施設です。
長野駅近く、とある施設の一角に保育所を作る計画を進めてきましたが、いよいよ工事が始まりました。
予定では今年の4月から保育を開始します。募集要項が決まりましたら改めて通知致します。
興味のある父兄様は弊所まで一報ください。

オリーブの樹2018.01.14

オリーブの葉は薄い緑色でこの葉がとても好きです。スペインやイタリアそしてトルコで良く見かけたこの樹。そして「平和」「知恵」「勝利」の象徴としての樹を自分でも育ててみようと思いました。
ことの経緯はこんなのとから….
休日に近くの造園店へ散歩の途中立ち寄りました。そこにはオリーブの樹が雪をまとい、あの乾燥した陽射しの強い地域で見かけたオリーブとはまるで印象の違う姿に興味深深。店員の方から長野の寒冷地でも育つとの説明を受け、とりあえず事務所の観葉植物として購入しました。以前新潟の住宅を設計した際、豪雪地帯にも係わらず、屋上庭園にオリーブを地植えしましたが、そのオリーブも少しずつ成長している様子。以外にもオリーブという樹は寒さにも雪にも、ほどほどに耐えられるようです。事務所でのオリーブ育成実験で問題なければ今度は我が家の庭に地植えの実験もしたいなと考えています。

また、2年前に頂戴した高価なサンセベリアも事務所との相性が良く、成長著しく今年の春は株分けするほどになりました。潤いに欠ける事務所もこうして緑を少しずつ増やし、住宅と同じように癒しの空間にしたいものです。

新年から取り留めのない話となりましたが、弊所も9日から通常通りの業務となっております。
昨年同様本年もどうぞよろしくお願い致します。

リノベーション工事が完了しました2017.11.27

かれこれ10年以上のお付き合いとなるお客さんが居ります。弊所でリハビリセンターの設計をさせて頂いたのがご縁で、既存の住宅や病院棟の改修工事を毎年のように、少しずつ手直しをされているのです。今年も改修工事を実施しました。今回は住宅の水周りの工事ですが、住宅はこれでほぼ全ての箇所の工事が完了したところです。嬉しさ半分、寂しさ半分といった気分に浸っております。

オーディオ室の設計と黄金比2017.10.31

現在工事中のオーディオ室のある住宅です。音環境というものは奥が深く、様々な専門家と取り組んでいる案件です。配線の性能や仕上げ材の強度や硬さなども目下精査中。建築的にはフラッターエコー対策として部屋の形を台形とし、天井も勾配天井にしていますが、強度を確保するのが難しく着工して5ヶ月でようやく方向性が見えてきました。これは建築基準法の強度とは別に、音圧でビビリ音を防止するための強度確保で、これがまた厄介なのです。またリスニングポジションの位置もカルダス式等さまざまな方式を使い決定づけられます。面白いですね。なんだか大学で音響の講義を実践しているようで。しかし生演奏と違いスピーカーから発する音を最良の環境で聞くことを前提にしているので残響時間なども劇場ホールなどと違い苦労の連続です。こんな作業を繰り返して分かってきたことがあります。黄金比という言葉を聞いた事がある方も多いかと思いますが、音環境を良くしていくと、デザイン面でも黄金比と呼応するのか空間のプロポーションが良いのです。これまた完成が楽しみです。そして何より施工会社が面倒がらず対応して頂いていることが心強くもあり申し訳無くもあります。

上棟しました2017.09.15

雨模様の週でしたが

上棟式の当日

天気が回復し気持ち良く晴れ渡った青空の元

無事上棟式となりました

オーディオ室のある住宅

オーディオ室のある住宅