「設計者の職能」2019.12.03
長野市では現在2021年に完成予定の信濃美術館工事の真っ只中。先日、設計者である宮崎浩氏の講演会も兼ねた現場見学会もあり参加してきました。この講演会は設計の取り組み方を見つめ直す良い機会を頂いたように思います。
講演会のなかで何度か「職能」という言葉がでてきました。職能とは設計者の責任において解決しなければならない事柄です。最近の設計者は「この案(デザイン)いかがですか」と依頼者に確認を取り了解を得たら進めるといったデザインの責任放棄をしている。これは職能放棄だと。それは依頼者の了解を得ないで勝手に設計を進めることではなく、設計者が何もない空間に線を引くこと、その線には社会性や未来への責任ある線(デザイン)が存在するのか、それを説いているのだと受け止めました。一方、全ての問題解決を設計者が受け持つのでは無く、依頼者が検討解決すべき事案と設計者が解決しなければならない内容を明確にすること。それがより良い設計につながるのだと。なるほど、最近設計姿勢に迷いがありましたが、少し頭がすっきりしたように感じた講演会でした。