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赤和観音の枝垂れ桜2017.04.25

枝垂れ桜は山里に多く見られます。集団ではなく一本自己主張するかのように。そう自分の哲学に近いようで、こいつが好きなのです。だからなのか毎年この時期は里山に桜を探しに出かけます。
先日、お客さんとの打ち合わせの際、こんなことを話してくれました。「街道筋や山里の桜は、言わばお墓のようなもの。故人が亡くなった場所の印しとして桜を植えて…」皆がみなそうでは無いと思いますが、恐ろしいような、古に思いを馳せるような複雑な心境になりました。
写真は長野県の枝垂れ桜で有名な高山村の「赤和観音」の枝垂れ桜です。どうでしょうか。古の生活が少し想像できませんか。そこに見える桜を見るのではなく、その背景を想像して心の目で見ると更に物事が楽しくなりますね。

人生フルーツ2017.04.20

長野県にメルヘン街道という気持ちの良い山岳道路があります。冬季は閉鎖されている道路がこの時期恒例のイタリア車先導での開通式があり、今日がそのイベント日。我が家の車も10年を超え、今年が最後かなーなんて思い、イベント参加を企てていたのですが、すっかり忘れて気がつけばイベント終了時刻。実現ならず。

この時期はソメイヨシノが一斉に咲き、その後シダレ桜、山桜と続き、とてもウキウキとなんだか嬉しい気持ちになります。これも四季の移ろいからの影響でしょうか。ここ長野ではソメイヨシノも満開を過ぎ、少しずつ散り始めですが、いよいよ気持ちよい季節となります。

話は変わりますが昨晩、テニス仲間との呑みで「お前!本読んでる?」との問いに「最近読んでないな~」との返答をしたことを思い出しました。そして文章を書くセンスも本を読んでいる量と比例しているのでは…と。何気ない会話の内容が一日経った今ようやく覚醒し始め、今こうしてブログを書いているところです。確かに昔と比べ、ブログを書く頻度や読書する時間が極端に少なくなったことに今更ながら気付かされました。頭の中はいつも仕事のことでいっぱい。休日も打ち合わせが多く、休めるのは夜の就寝前の少しの時間だけ。なんだか人間らしくないですね。仕事をするロボットみたいで。枕元には常に文庫本が置かれ、いつでも読める状態なのですが、睡魔のお誘いにどうしても断りきれない自分がいます。夜も少し苦手となってきました。かといって朝型でもないのです。一日24時間は皆同じ。ゆとりのある人生を送るため、今日は仕事を早めに切り上げて、人生の先輩でもある建築家人生の映画「人生フルーツ」を鑑賞しようと思います。

昭和が懐かしい!2017.01.25

非常にタイミングがいいのです。
夕食前の小腹が空いた時間に、
軽自動車で「ぴぃ~~ビィィ~」と。
焼いも屋さんの車が先ほど事務所の前を通り過ぎて行きました。

 昔は落ち葉や枯れ枝を集めて、芋を焼いたり、
あるいはリヤカーに輪切りのドラム缶製石焼芋機でしたね。
ドラム缶の中には熱々の石が遠赤外線を放出して、芋を甘くします。
通り過ぎた軽トラックの音で、懐かしい昔を思い出しました。

同じように、ラッパ片手に
「to~fu~」とラッパを上手に鳴らしながら自転車が家の前を通り過ぎ、
「ちょっと、豆腐屋さん止めておいて!」と母親から言われたものです。

 最近運送会社のドライバーの失態が話題になりましたが、
今は何でもネット注文で宅配が主流でしょうか。
非常に早くて便利ですが、
どこか情緒が無いというか人間的ではありませんね。

 最近見たテレビで、ある建築家が「家や街は人の繋がりが無いと衰退する」
というような事を言った意味が何となく分かるような気がします。

鉄製の階段の薦め2017.01.22


これは木造の住宅に設置予定の、製作がほぼ完了した写真です。
木造住宅では主に大工さんが木製の階段を設置するのが常ですが、弊所ではこのように鉄材で製作した階段も多いのです。なぜこのように木製ではなく鉄製とするのか。理由のひとつは構造のボリュームが小さくできるからです。軽やかな階段とでも表現できるでしょうか。インテリアの主役となる階段、触れてみたい階段、そして上ってみたくなる階段になれば何よりです。とても難しい工事でもありますが、出来たときの階段は木製では表現できない表情を持っています。このように一般的ではないデザインは、ここまで来るのに施工図という図面を何枚も描いては訂正しての繰り返しで、ようやく加工出来るのです。
そして、現場でこの2基の階段が予定通り安全に納まると少し安心します。
その時期も間もなく来ようとしております。

フィアット500のように2016.11.02

事務所の大型窓があまりにも寂しいので
悪戯心に火がついて
先日、軽井沢で手に入れた
フィアット500のステッカーを貼ってしまいました。

 そう、ルパン三世にも登場するイタリアの小型車です。
小さな車体に大きな荷物を載せて
「さあ どこかに行こう!」なんてね。

 事務所もこの車のように、
小さくても大きな仕事をしたい。

そんな希望も密かに込めて・・・

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「冷暖房の光熱費について」2016.08.30

新しい事務所で仕事をして8ヶ月となりました。1-2月の寒い時期から8月の酷暑までの間、気になる冷暖房など光熱費について少し話をします。
弊所は木造2階建て約20坪の小さな事務所です。この事務所には薪ストーブと冷暖房対応タイプのパネルヒーターを入れました。これは冷暖共に使える体に優しい輻射タイプの器具で、とても心地良い器具です。そして薪ストーブはアメリカのバーモンドキャスティング社で製造している「イントレピッドⅡ」(6,750kcal/h)。薪ストーブにしては小型のタイプを入れてありますが、これで十二分に暖まります。というより暑い程です。断熱の方法や間取りにもよりますが、午前中火を入れて午後はコトコトと弱火でも、着ている服が長袖から午後には半袖になります。そして「暑いな~隣(コンビニ)に行ってアイスクリーム買ってきて!」となります。基本的な操作さえ守っていれば密閉型のストーブなので火事に対してもあまり気にすることも無いのではないでしょうかearthwork
そして肝心の冬の光熱費ですが、暖房は薪ストーブがメインです。たまにパネルヒーターを入れますが、今年の冬は数回程度しか使いませんでした。ですから光熱費に関しては薪の使用量となります。使用する薪は主に雑木です。楢薪はカロリーが高いのですが買うと高額で火付きも悪いので、あえて雑木(天然木なら何でも)を好んで燃やしています。朝9時頃薪に火をつけ、午前中5-6本の薪で事務所内を暖め、午後は夕方5時頃まで火を絶やさない程度(1-2時間に1本)に薪を使い、あとは余熱で夜9時ごろまでは問題なく快適な温環境で維持できます。一日の薪の使用量は1-2束程度かと思います。今年の分は知り合いからタダで頂いた薪で光熱費は0円ですが、薪を購入するとなると長野では雑木で1束350-400円程度なので一ヶ月で15,000円~18,000円程度でしょうか。少し高いですね。薪も贅沢品ですからご自身で薪集めをすると光熱費が抑えられます。想像するに薪ストーブを使うよりパネルヒーターの方が安いのではないかと思います。ただ、薪ストーブは光熱費だけでは計れない楽しみもたくさんありますので止められません。楽しみについては時期がきたらアップします。
また夏の光熱費ですが、8月の暑い時期の電気代が6千円台と今までのエアコンで仕事をしていた時と比べると1/3程度に抑えられました。すごいですね。ただまだ一年目のデータなので今後もう少し分析したいと考えていますが、省エネの器具となりそうです。

もし興味のある方は見学できますのでお気軽に連絡してください。hrc1

 

 

「梅雨も乙な物」2016.07.09

基本的に雨は嫌いです。
晴れ、それも雲ひとつ無い紺碧の晴れが好きです。ですが、シトシト降る雨を打ち合わせの無い仕事場で眺めていると、なんだか心癒され、これもまんざらでも無いな。なんて。本日は模型を造りながら(作って頂いている)、ジャンルを問わない音楽が後方から次々と流れ、心地よい雨の筋を眺めています。

話は変わりますが、写真に写っている唐模様の陶器は、家具に付ける「つまみ」です。先日インテリアショップで見つけ購入した物。これから始まる家に付けるか、はたまた我が家に使うか、嫁ぎ場所は決まっていませんが、良い家具の設計が出来たらお披露目したいと密かに考えているところです。こんな小物の購入も楽しいのですが、先日少しだけ大きな買い物を…(ニヤリ)だからという訳ではないのですが、少し浮き浮き気分の今日この頃。
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冷暖房器具のご紹介2016.06.15

新しい事務所に入れた冷暖房器具をご紹介します。これは冷房と暖房をひとつの機器で対応出来るスグレ物。これから蒸し暑い夏が始まりますが、写真は本日の冷房状況。パネルのフィンに結露が見受けられますが、これで湿気を除去してます。室温は少し高めですが、湿度が低いので事務所内は快適な空間となっています。特に1階は洞窟内にいるような感じといったら良いでしょうか。冷風が出るエアコンと違い、空気を対流で冷やしているため、特に女性に多く見られる局所的に冷える冷房病など気になる方にはお勧めの器具です。また省エネにも貢献しています。
hrc1上から見た器具の写真です↓
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2年経過した住宅を訪れて2016.05.17

先日の出来事ですが、雑誌取材の立ち合いで訪れた住宅の話をします。
竣工して2年が過ぎようとしているこの住宅は、私が言うのもなんですが、少しずつ住む人の個性が表れ、良い感じとなってきました。 完成した当時、まだ家具が入っていない部屋は粗削りの未完成なイメージで、少し冷たさも感じたものです。しかし、この2年で何とも心地良い癒しの空間に変貌し、いつも長居してしまうような家になっておりました。これは部屋に緑が点在し、色調を統一した厳選された小物たちが良いスパイスとなり、主役である家族が幸せそうに見えるからでしょうか。少なくとも私にはそう映りました。博学なご主人と、心優しい奥さん、そして何事にも興味を示すご子息。家族とインテリアが実にマッチした住まいなのです。
帰り際に最近購入されたピアノとギターをご家族で演奏してくださり、演者の後ろ姿を見ている私はというと、座り心地の良いソファで設計打ち合わせの時を思い起こしながら心地よい夢を見ているようでもありました。
(この住宅は夏頃に雑誌KURAに掲載される予定です)
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現場監理もイロイロ2016.04.15

設計監理というものは、現場に出向いて様々な確認作業や検討作業がありますが、最近は通信技術の進歩により現場確認も効率良くなってきましたね。

この写真は昨日現地に出向き外構をどうするか、白線で検討しているところですが自然環境に身を置き、リフレッシュも兼ねた現場作業というのはとても好きな仕事。

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一方こちらは本日の足場解体の様子。仕事の都合で現場に行けない場合もあるのですが、「ライン LINE」という便利なツールで送られてくる写真で当日の様子を窺い知り事が出来ます。すごいですね。とタダタダ他人事のように感心するばかりです。そして只今ipadを利用して外部からでも図面をチェック、スケッチできるアプリを物色中。といってもスマホオンチな私には先が長い話です。

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心地よいバルコニーを目指して2016.03.31

ルーフバルコニーが少しづつ仕上がってきました。

建築地が街の中心地に近いため、近隣の住宅や通行の方々の目線を気にせず過ごせる空間としてのバルコニーです。この他にもう一つ浴室から望める坪庭バルコニーもあるのですが、こちらは眺めが最高です。og6

25坪のせめぎ合い2016.02.08

無駄を削ぎ、動線を簡潔に、そしてシンプルに…

予算の関係から小さく、そして贅沢に暮らせる家を実現させるため目下奮闘中の住宅があります。その打ち合わせを昨日行い、5案目にして、少しずつ固まりつつあり、ひとまずほっとしております。

「大きな家の設計と小さな家の設計とではどちらが難しいか」と良く質問を受けるのですが、どちらかというと小さな家の方が難しいように感じます。といっても極力無駄を排除し、そして、無駄な余白を残し、遊び心のある豊かな家。なんて矛盾した内容を真剣に考えるのは実に楽しいものです。

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