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たとえばキッチンウェア2024.09.16

最近珈琲ドリッパーを替えました。
その名も「フラワーリブ」些細な買い物ですよね。

でも満足度というか幸福度がそれ以上に増すことがあるのです。私の場合。
毎日の珈琲担当が私だからなのか、珈琲を淹れる時、そしてじっくり味わう時、室内の環境を良くすることでもっと生活に潤いが生まれると私は思うのです。部屋が雑多なモノで溢れ落ち着きが無かったり、不要なテレビから雑音が響いていたり…そんな部屋で淹れた珈琲は落ち着かず気分的に美味く感じられないのではないでしょうか。

このような些細な感性が実は建築設計でも必要なのです。安さを追求するあまり、間取りや窓の位置が決まっている規格住宅が見受けられますが、それは周辺環境に配慮していない「寝て」「起きて」「食事をする」機能だけの住宅のように見えてしまうのです。
しかし料理が好き、車が好き、読書が好き. etc. その人の秘めた生活や趣味が必ずあるはずです。その個性を生かす住宅を考える時、予算以外に太陽光の位置、風の通り、音、匂い、隣接する住宅環境、窓から見せたい(あるいは見せたくない)景色など豊かな生活を送るためには欠かせない感性ですね。
最近予算に厳しい物件が多く、工事費を重点的に考える時間が多くなってきましたが、それでは建築家の職能として欠けていると感じたと同時に、いつまでも豊かな暮らしを感じ取れる感性を失わない気持ちでいたいと改めて思わせてくれた珈琲ドリッパーでした。

 

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