背後の山の稜線に沿うよう大きな屋根を被り、くじらのような背びれが特徴的。どこにでもありそうで、どこにも無いその姿は、あたかもずっとそこに存在していたかのような表情で、風景に溶け込むよう建っています。　建物の中に入ると、そこはまるでピノキオのゼベット爺さんが鯨のおなかの中に入ったように、広々としてダイナミックで贅沢な空間。薪ストーブと大谷石、ステンドグラスに読書スペースを配したおおらかで落ち着いた居住スペース。　そして、住宅の脇に残された蔵は化粧を施し、もう一度その使命を受け蘇りました。先代から受け継がれた土地で子供のころの記憶をたどりながら、もう一度ふるさとの集落に住み繋ぐ家となりました。

                                                                                                    photo: Studio FRAME