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2年経過した住宅を訪れて2016.05.17

先日の出来事ですが、雑誌取材の立ち合いで訪れた住宅の話をします。
竣工して2年が過ぎようとしているこの住宅は、私が言うのもなんですが、少しずつ住む人の個性が表れ、良い感じとなってきました。 完成した当時、まだ家具が入っていない部屋は粗削りの未完成なイメージで、少し冷たさも感じたものです。しかし、この2年で何とも心地良い癒しの空間に変貌し、いつも長居してしまうような家になっておりました。これは部屋に緑が点在し、色調を統一した厳選された小物たちが良いスパイスとなり、主役である家族が幸せそうに見えるからでしょうか。少なくとも私にはそう映りました。博学なご主人と、心優しい奥さん、そして何事にも興味を示すご子息。家族とインテリアが実にマッチした住まいなのです。
帰り際に最近購入されたピアノとギターをご家族で演奏してくださり、演者の後ろ姿を見ている私はというと、座り心地の良いソファで設計打ち合わせの時を思い起こしながら心地よい夢を見ているようでもありました。
(この住宅は夏頃に雑誌KURAに掲載される予定です)
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現場監理もイロイロ2016.04.15

設計監理というものは、現場に出向いて様々な確認作業や検討作業がありますが、最近は通信技術の進歩により現場確認も効率良くなってきましたね。

この写真は昨日現地に出向き外構をどうするか、白線で検討しているところですが自然環境に身を置き、リフレッシュも兼ねた現場作業というのはとても好きな仕事。

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一方こちらは本日の足場解体の様子。仕事の都合で現場に行けない場合もあるのですが、「ライン LINE」という便利なツールで送られてくる写真で当日の様子を窺い知り事が出来ます。すごいですね。とタダタダ他人事のように感心するばかりです。そして只今ipadを利用して外部からでも図面をチェック、スケッチできるアプリを物色中。といってもスマホオンチな私には先が長い話です。

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心地よいバルコニーを目指して2016.03.31

ルーフバルコニーが少しづつ仕上がってきました。

建築地が街の中心地に近いため、近隣の住宅や通行の方々の目線を気にせず過ごせる空間としてのバルコニーです。この他にもう一つ浴室から望める坪庭バルコニーもあるのですが、こちらは眺めが最高です。og6

25坪のせめぎ合い2016.02.08

無駄を削ぎ、動線を簡潔に、そしてシンプルに…

予算の関係から小さく、そして贅沢に暮らせる家を実現させるため目下奮闘中の住宅があります。その打ち合わせを昨日行い、5案目にして、少しずつ固まりつつあり、ひとまずほっとしております。

「大きな家の設計と小さな家の設計とではどちらが難しいか」と良く質問を受けるのですが、どちらかというと小さな家の方が難しいように感じます。といっても極力無駄を排除し、そして、無駄な余白を残し、遊び心のある豊かな家。なんて矛盾した内容を真剣に考えるのは実に楽しいものです。

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身の丈に合った人間的な暮らし2016.01.27

写真家による竣工写真撮影の立ち合いをしてきました。正攻法で撮影する写真家に対して、こちらは日常の目線を意識して撮影を試みました。設計の時には気が付かなかった思いもよらない発見があったり、また少しばかりの反省点もあったりと、住宅の設計は奥が深いですね。考える事が無限大といったところでしょうか。

話は変わりますが、最近の傾向(私もですが)として贅沢な物に溢れた暮らしから、厳選したアイテムに囲まれた「必要最小限の家」の相談が増えてきたように感じます。設計進行中の物件でも25坪程度に抑えた住宅を目下奮闘しているところですがこれが難しいのです。「フランス人は10着しか服を持たない」という売れ筋の本を昨年斜め読みしましたが、住宅の場合はどうなのだろう?と考えを巡らせています。人工知能、ビックデータ、自動運転、ロボットなど今世紀は何かと夢のような未来が実現しそうな話で持ちきりですが、今の私のしている事はというと、より人間的な、あるいは人間の本質を探っているかのようで、ある意味逆を走っているようにも感じます。だからという訳ではないのですが、何にでも応えてくれるスマホからガラケーに変えた変人でもあります。人工知能による世界が人の気持ちも支配するような世の中にはならないでほしいものですね。su4

癒しの炎と・・2016.01.12

メラメラと燃える薪ストーブの炎を見ていると心が和みますね。

最近、事務所にも新たに薪ストーブを入れたのですが、これがすこぶる燃費がよろしいのです。自宅の薪ストーブと比べて20年近く新しくなった影響なのか、はたまた気密性や断熱性が良くなったのか…。寒い冬でも半袖で過ごせる程に。これから「焼きリンゴ」「焼き芋」「煮込み料理」なんて仕事しながらトライしたいと思います。

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ハーモニーハウス 軽井沢2015.10.26

建築家 吉村順三設計のハーモニーハウス(軽井沢)は老朽化が著しく、修繕費を宿泊やカフェ利用料で補うというシステムがあります。たまたま、設計依頼のあったお客さんからもお誘いの連絡があり見学に行ってきました。

yo1シンプルな内装と、心地良い断面プロポーションは、図面からでは想像出来ない空間で、ここに来てその素晴らしさを体感できました。シェアハウスは暖房が無く、この季節には少し肌寒い空間でしたが、部屋から見える木々は、紅葉終盤という姿で凛とした景色が広がります。窓を全開にして観るこの景色は、鳥のさえずりも手伝い何とも言えない心地良さがありました。

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またラワン合板の簡素な仕上げの廊下に面してキッチンや水廻りが配置されているのですが、ここで少し驚いたのは浴室に面する脱衣室の入口幅が58cmと狭く、クレームが起きそうな入口だったこと。ただ脱衣棚などの関係から、そうせざるを得ない理由があったものと想像します。最後に共通の趣味であるお互いの車を並べ、シェアハウスの前でパチリ。久しぶりの軽井沢を満喫できました。

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薪ストーブは 暖かい2015.10.19

少し時間が経過してしまいましたが、長野市から30分程走った高原に建つ別邸の監理に出向いた時の写真です。既に薪用の丸太が平置きされ羨ましい限りです。来年の新緑頃完成予定ですが、冬の凛とした空気のなか、散歩するのも楽しい場所だと思います。そして冷えた体を薪ストーブで暖を採り、美味しい煮込み料理もこの薪で出来るのです。我が家の薪の調達はこれからですが、その前に煙突掃除が待っています。カーボンオフセットにも貢献でき、健康にも良い薪ストーブはお薦めです。少し手間がかかるのは愛嬌のうち。

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越後妻有 大地の芸術祭 その後2015.10.04

ここを訪れるのは今回で2回目です。

芸術祭は終了していますが、屋外の展示物は見学する事ができます。今回は7作品ほどの見学でしたが、一番印象に残ったのがアート作品では無く、里山に残る棚田の風景でした。2本の高い杉の木の懐に、茅葺屋根の小屋が何とも良い味わいなのです。棚田と小屋が印象派の絵画のようにも見えてくるようでした。

場所は松之山「留守原の棚田」というスポットですが、偶然通りかかった場所でした。

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また最後に見学した古小屋の外壁に丸い鏡を張り合わせた作品が何と素晴らしい事か。鏡貼りのエゲツナサが無く、周辺の木々が鏡に写り込み、風景に溶け込んで、あるいは透過したかのように見えるのが芸術作品なのでしょうね。

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「祝詞奏上(のりとそうじょう)」2015.07.21

梅雨明け夏本番の本日、

空は見事に晴れ渡り、

めまいがするほどの暑さの中、

コンクリート住宅着工前の地鎮祭に出席しました。

 

いつもながら施工者から「白手袋」

神主さんから「鎌」を渡され

「えい!えい!え~い!!」と

普段出さない少しばかり大きな声で

鎌入れをさせて頂きました。

 

建築という業界は古来の習わしを色濃く継承している業種で

このような神事に参加できるのは嬉しい事。

今日は神主さんから祝詞奏上に出てくる言葉を解説して頂き、

苦手だった古文、漢文、日本書紀、万葉集?の世界を

謹んで拝聴致しました。(今以て意味不明ですが)

kibitu(写真は岡山県 吉備津神社です)

「右に倣え」2015.07.15

設計依頼があると必ず現地に出向き、

その敷地に立ち(あー気持ちいい~)  とか (この臭いはなんだ!) など

いろんな情報を得る努力をします。そんな観察で残念に思うことのひとつに周辺住宅の向きがあります。

分譲地であればなおさらで、必ず道路に並行に住宅が建っているのです。

敷地を無駄なく使う!という根性丸出しなのか、深く考えないで建てたのかは分かりません。

西向きでもお構いなしなのです。

そして「右に倣え」で周辺の住宅は西陽がキツイ側の向きで住宅街が出来上がります。

写真の住宅地も同じ状況でした。道路に並行に少し西向きの住宅がほとんど。

設計依頼の後この敷地に立って(西陽が辛いだろうなー..)などいろいろ考えた結果、

周辺の住宅の向きを無視し、南向きの住宅を完成させました。

その後、周辺の住宅建て替えラッシュとなり、南向きの方向の住宅もチラホラと建ってきました。

この調子で「右に倣え」と環境の良い住宅街となる事を願うばかりです。

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「玄関扉は見えない方が良い」2015.06.03

設計で心がけていることのひとつが

玄関扉が見えない工夫です。

玄関扉を開けた時、道路から室内を見せない、

風ほこりを室内に入れないことは勿論

無防備に玄関のカギを鞄からソワソワと出して

鍵を開けようとしている姿など

防犯上絶対に見せたくありません。

また、居住者が外に出る時の心構えというか

外界にさらされる準備の空間、

あるいは来客者のワクワク感を演出する際に

玄関扉の存在が期待感をそぎ落としてしまうのです。

そんな理由から、できるだけ写真のような玄関扉が見えない提案を心がけています。

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(写真は梅雨前ギリギリに竣工写真の撮影をした長野市の住宅です)