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鉄製の階段の薦め2017.01.22


これは木造の住宅に設置予定の、製作がほぼ完了した写真です。
木造住宅では主に大工さんが木製の階段を設置するのが常ですが、弊所ではこのように鉄材で製作した階段も多いのです。なぜこのように木製ではなく鉄製とするのか。理由のひとつは構造のボリュームが小さくできるからです。軽やかな階段とでも表現できるでしょうか。インテリアの主役となる階段、触れてみたい階段、そして上ってみたくなる階段になれば何よりです。とても難しい工事でもありますが、出来たときの階段は木製では表現できない表情を持っています。このように一般的ではないデザインは、ここまで来るのに施工図という図面を何枚も描いては訂正しての繰り返しで、ようやく加工出来るのです。
そして、現場でこの2基の階段が予定通り安全に納まると少し安心します。
その時期も間もなく来ようとしております。

神話の国 出雲へ 其の42017.01.03

「8月13日 快晴」
宿泊したホテルから水木しげるで有名な境港まではオートバイで30分ほど。観光地化されて街がごった返していると思っていたのですが、拍子抜けするほど閑散としております。それではと謙虚にオートバイを路肩に停めて、一枚写真を撮らせていただきました。商店街を歩いている方々は私と同じような「お一人様」が目立ちます。自慢のカメラでお気に入りの妖怪を撮っているのでしょうね。私はというと、鬼太郎とその仲間たちを多少撮って、朝から暑い境港を日影から水分補給しながら人間ウォッチングを暫し。
1-sakai近くには「みなとさかい交流館」があるので写真だけ撮ってきました。ここは前日見てきた「植田正治写真美術館」と同じ設計者で高松伸。
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続いて訪れたのが「美保神社」。この神社は出雲大社と合わせて参拝するのが良いとホテルのフロントで聞いて立ち寄りました。本殿が2つある「比翼大社造り」と言われる珍しいお社で、ここにきて知った貴重な情報です。大学で建築様式などという講義が一番嫌いで、良くさぼっていたことが今になって悔やまれます。鳥居の脇には「青石畳通り」と言われる「しまね景観賞」にもなった通りがあります。雨に濡れると石畳が青く変わることから通りの名前になったそうですが、お盆期間の暑い日中には人もまばらでした。
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なぜかオートバイに乗っていると先端に行きたくなります。「美保関灯台」も観光客はバイクと自転車が目立ちました。遠くに「隠岐の島」が見えるようで、見えない もどかしさ。夏の湿気からでしょうか、良く晴れているのに残念です。灯台隣にある喫茶店を見つけました。少し休もうと立ち寄ったのですが、店主は外の日影ベンチに横になりお昼寝中。邪魔したら悪いのでそーっと 立ち去りました。こんな風景を見ていると、のどかで、ストレスのない暮らし!という雰囲気が醸し出ていて、こちらまで癒されます。
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ここから更に西へ向かい出雲を目指します。途中通った「大根島」は春の牡丹で有名らしいのですが、私はべんがら色の統一された甍集落に目が行きました。
7-oone出雲大社に行く前に「加茂岩倉遺跡」に足を運びます。ここは銅鐸の出土した場所なのですが、出土数が最多。これから向かう「古代出雲大社歴史博物館」にここの銅鐸が展示されているようなので、まずは発見場所をウォッチング。暑さに強い私でも暑くて堪らないこの日は、来館者は私と家族連れの2組だけ。無料の麦茶のポットを私含め3人で全て空にしてしまいました。
8-kamoiwaいろいろと寄り道しましたが「出雲大社」へ向かいます。出雲ドームを横に見ながら 目的地に向かいました。思った以上に農村地帯の道をひたすら走り、渋滞もほとんど無く、出雲大社駐車場に滑り込みました。「おー長野からはるばる来たのですか?」と駐車場で声を掛けられたライダーと暫しの歓談。彼も東京から実家のある出雲にツーリングを兼ねての帰省途中らしい。まずは付近のお店でご朱印帳を購入し、出雲そばを堪能してから出雲大社へ。ここが神話に出てきる地か~。古事記と日本書記の食い違いはあるけれど、正に両者の舞台となった場所に心もタイムスリップ。というか暑くて体がフェードアウト気味。この日はペットボトルを何本消費したか分からないほどの暑さですが、出雲大社でご朱印を頂き、今日の目的一部をクリア。初めてのご朱印帳に印を頂き、少し感動しました。年を取ったということでしょうか。次の印は伊勢神宮でと心に誓いました。(お寺は何となく東大寺と決めています)
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そして「加茂岩倉遺跡」で下調べをした銅鐸を見るため「古代出雲大社歴史博物館」に寄り銅鐸と銅剣を見学。巨大な3本の杉柱も間近で見ることが出来き本日の目的は全てクリア。学生時代は歴史が一番興味無かったはずが、今はなぜか昔の出来事に関心があるなんて不思議ですね。最後に途中見つけた旧駅舎「大社駅」で本日は終了。
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「8月14日 快晴」
この日は出雲インターからひたすら長野に向かい、ただただ走っただけなので写真がありません。途中寄った最近まで読めなかった地名「蒜山高原」のSAで(遠くに来たもんだ)と思いふけってみたり、前年訪れた場所を偶然にも中国自動車道から見下ろしては懐かしんだり、帰路800kmも案外近いな。
来年は更に遠くへ 遠くへ(おわり)

神話の国 出雲へ 其の32016.11.16

「8月12日 快晴」
いつものようにホテルの朝食を早めに済ませ、8時前には走り始めました。以前「地図が読めない・・・」という本が話題に上りましたが、今時私のバイクにはスマホナビも付けず、地図だけが頼りの旅。だから頻繁に道を間違え、余計な路地に入り込み、更なる迷路に迷い込むこともあります。当日のルートは前日ホテルの枕元で地図を見ながら予習したので、迷うことなく無事「植村直己冒険館」に到着しました。この冒険館は建築家 栗生明氏設計の日本建築学会賞に輝いた施設のため、ぜひ訪れたかった建築でもありました。建築的な説明は省略しますが、地形を生かした設計は大変参考となりました。
moto1施設見学も終わり、鳥取県目指し走っていると、「但馬ドーム」が目に入ってきました。このドームは以前勤めていた事務所(大建設計)と建築家 仙田満氏とのJVでの設計のため表敬訪問です。といってもイベントも無いため寂しい雰囲気。とりあえず写真だけの痕跡を残して。
moto2この日は大きなミスをしてしまいました。
頭に入れた地図と国道9号線という標識を頼りに走り、道路案内も鳥取方面を目にしていたのですが…. いつの間にか「鳥取方面」の表示から「京都方面」の標識へと変わり、さらに「京都市内」なんて標識まで。ここで初めて地図を広げて大きなミスに気づいたのですが、既に150km以上鳥取とは反対方面を目指し走ったことに…。時間にして往復4時間以上もロス。「お昼は鳥取名物でも探して」のん気に構えていましたが、当然お昼抜きとなってしまいました。今日の本命が「植田正治写真美術館」でまだまだ先が長いのです。
moto3この美術館はほとんど島根県の県境。そして国道9号線は海水浴客の渋滞もあり、到着したのが閉館30分前でした。ここはなぜか若い男女と私のような独り者のオジサン達で賑わっていました。建物は当然魅力があったのですが、展示物(写真)に引き込まれました。海外の美しい場所を撮っている訳で無く、あくまでも写真家の地元である鳥取を舞台にした作品が芸術的!あっという間の閉館となり、ドボルザークの「家路」を聞きながら出口に向かいました。
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moto5しばらく大山と美術館を外から眺めていると、館の従業員も帰ってしまい、とうとう一人きりとなってしまいました。時間のゆとりが出てくると、頭も回り始めます。携帯(スマホではない)を取り出し家に電話。「一日延長してもいい?」
という訳で、ここからipadを駆使してホテル探し。偶然にも出雲市内のホテルでキャンセルが出て、念願の一日延長ツーリングへ。
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初めて踏み入れた土地でひとり夕景を眺めていると、「遠くに来たもんだー」となんだか嬉しくなってきたのを思い出します。涼しくなったのでホテル目指しのんびり境港方面へと走り、最後は大山が綺麗に見える場所で一休み。直ぐそこにホテルがあるのですが、またまた ひとりボーっと。そして無事ホテルに到着し、いくつもある露天風呂と内湯を満喫しました。
moto7本日一般道だけで500km超えの走行となりました。

フィアット500のように2016.11.02

事務所の大型窓があまりにも寂しいので
悪戯心に火がついて
先日、軽井沢で手に入れた
フィアット500のステッカーを貼ってしまいました。

 そう、ルパン三世にも登場するイタリアの小型車です。
小さな車体に大きな荷物を載せて
「さあ どこかに行こう!」なんてね。

 事務所もこの車のように、
小さくても大きな仕事をしたい。

そんな希望も密かに込めて・・・

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神話の国 出雲へ 其の22016.10.26

「8月11日 快晴」
今回の移動手段はオートバイです。それも買ったばかりのイタリア車(モトグッチ)。だからエンジンなどの慣らしを兼ねた旅となりました。
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初日の目的地は「京都-天の橋立・伊根の街並み」「兵庫-城崎温泉」日本海はオートバイでの旅にぴったり。車は少ないし、道路は広くてきれい。でも単調な高速道路はあまり好きではありません。疲れては休み、喉を潤し、トイレへ、の繰り返し。
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天の橋立近くにお地蔵さん郡発見。目を吊り上げず、のんびり走っているとこんな光景も見逃しません。
3-zizou伊根への道は細く両脇には木造の漁師が住む家並みといった風情ある道です。お盆休みなのか、活気が感じられません。少しの観光客と、客引き?の係員たち。その方たちを横目に漁師町を散策し一休み
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しばらく城崎温泉方面を目指して走っていると、趣のある駅舎を発見しました。久美浜駅です。ここでしばらく駅舎脇のベンチで休憩していると、タクシーの運転手から話しかけられ、雑談しながら目線は駅舎を眺めて…。夕方の見知らぬ場所で、見知らぬ人とのんびり佇むなんて贅沢な時間ですね。こういう光景を非日常というのでしょうか。
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かの県議で話題になった「城崎温泉」。柳と水の流れがとても趣があります。そして長野の温泉街と違い、若者が多いのにもびっくり。浴衣に柳、そして太鼓橋に…温泉文化最高!
6-kinosaki7-kinosaki(つづく)

APEC アーキテクト2016.10.04

今年はAPEC アーキテクト更新年でしたが、審査が通り何とか取得できました。
あまり馴染みの無い資格ですが、複雑な建物の設計がが出来る称号のようなものです。
夢は海外(APEC 加盟国)の仕事など…
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「冷暖房の光熱費について」2016.08.30

新しい事務所で仕事をして8ヶ月となりました。1-2月の寒い時期から8月の酷暑までの間、気になる冷暖房など光熱費について少し話をします。
弊所は木造2階建て約20坪の小さな事務所です。この事務所には薪ストーブと冷暖房対応タイプのパネルヒーターを入れました。これは冷暖共に使える体に優しい輻射タイプの器具で、とても心地良い器具です。そして薪ストーブはアメリカのバーモンドキャスティング社で製造している「イントレピッドⅡ」(6,750kcal/h)。薪ストーブにしては小型のタイプを入れてありますが、これで十二分に暖まります。というより暑い程です。断熱の方法や間取りにもよりますが、午前中火を入れて午後はコトコトと弱火でも、着ている服が長袖から午後には半袖になります。そして「暑いな~隣(コンビニ)に行ってアイスクリーム買ってきて!」となります。基本的な操作さえ守っていれば密閉型のストーブなので火事に対してもあまり気にすることも無いのではないでしょうかearthwork
そして肝心の冬の光熱費ですが、暖房は薪ストーブがメインです。たまにパネルヒーターを入れますが、今年の冬は数回程度しか使いませんでした。ですから光熱費に関しては薪の使用量となります。使用する薪は主に雑木です。楢薪はカロリーが高いのですが買うと高額で火付きも悪いので、あえて雑木(天然木なら何でも)を好んで燃やしています。朝9時頃薪に火をつけ、午前中5-6本の薪で事務所内を暖め、午後は夕方5時頃まで火を絶やさない程度(1-2時間に1本)に薪を使い、あとは余熱で夜9時ごろまでは問題なく快適な温環境で維持できます。一日の薪の使用量は1-2束程度かと思います。今年の分は知り合いからタダで頂いた薪で光熱費は0円ですが、薪を購入するとなると長野では雑木で1束350-400円程度なので一ヶ月で15,000円~18,000円程度でしょうか。少し高いですね。薪も贅沢品ですからご自身で薪集めをすると光熱費が抑えられます。想像するに薪ストーブを使うよりパネルヒーターの方が安いのではないかと思います。ただ、薪ストーブは光熱費だけでは計れない楽しみもたくさんありますので止められません。楽しみについては時期がきたらアップします。
また夏の光熱費ですが、8月の暑い時期の電気代が6千円台と今までのエアコンで仕事をしていた時と比べると1/3程度に抑えられました。すごいですね。ただまだ一年目のデータなので今後もう少し分析したいと考えていますが、省エネの器具となりそうです。

もし興味のある方は見学できますのでお気軽に連絡してください。hrc1

 

 

命の洗濯 其の六2016.08.19

「5月3日 薄曇り」

岡山市内のホテルの窓から岡山後楽園が望めました。生憎時間の関係で見学はできませんでしたが、次回の目的地として取っておくことにしました。この日は長野に帰るだけなので少しのんびりしながらのチェックアウトとなりました。と考えていたのですが、走り始めて少し経つと今回旅行の名残惜しさが残ります。貧乏性なのでしょうね。山陽自動車道から舞鶴若狭自動車道へと反れ、そして京都の国道162号線(円山街道)を走っていました。目的地は「かやぶきの里」です。(本当はオートバイで来たかった場所なのです)連休でしたが道は混雑もせず順調に目的地に到着しました。駐車場に車を停め、この里を散策しました。風景を描いている観光客や写真を撮ってはしゃいでいる若者たち。そして私のように町並みをキョロキョロしている不審者のような行動は、ここに住んでいる人たちにとっては迷惑なのでしょうね。なんて住人になった気になっての散策でした。(おわり)
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神話の国 出雲へ 其の12016.08.18

お盆休暇を利用して出雲まで足を伸ばしてきました。近代建築の見学と古代への興味のみで、この暑い夏の日差しに耐え、しかもオートバイで巡ってきました。山陰地方は初めて足を踏み入れた地だけに、とても魅力的で神秘に満ち印象深い旅となりました。

「命の洗濯」の後、アップしたいと思います。
IMGP0151@

蔵の改修工事2016.08.05

「本日の現場」
今年1月に引き渡しを終えた住宅の隣に建つ蔵があります。
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この蔵の改修工事が暑いこの時期進行中です。まず蔵の瓦を取り払い、その下に10cmもの土も除去し、内部の構造補強をこれから施す予定です。
sug2湿気防止のために貼った新聞なのか分かりませんが、昭和2年の新聞です。この年に何があったか少しだけ新聞から読み解けますが、戦前のこの年は平和だったのでしょうか。庶民の生活はどうだったのか、などなど想像するのも楽しいものです。
sug3ヨーロッパの建物と違い、日本の住宅寿命は極端に短いのですが、この蔵は既に90年近く建っています。この改修工事により、これからもこの地に建ち続けこととなりますが、あと100年はここに佇んでほしいものです。

命の洗濯 其の五2016.08.02

「5月2日 晴れ」
ホテルを早めにチェックアウトし尾道に向かいました。自転車乗りには有名らしい「しまなみ海道」の起点となる町であり、小津安二郎監督「東京物語」の撮影地としても名の知れた場所。まず自転車乗りの宿泊拠点でもある「U2」へ。ここは倉庫をリノベーションし宿泊とショップに生まれ変わった施設ですが、驚いたことに外国から来たサイクリストが多いこと。また遠方から車にキャリアを付けた自転車乗りが楽しそうに四国に向け自転車を走らせているシーンを見ると、いつか自分もという気持ちになってしまうのに驚きです。まさに自転車とロケ地で集客に成功した町という印象でした。そして我々もこのショップで珍しい柑橘系の高額なドリンクを購入しましたが、味は人それぞれ…。
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気を取り直して坂道の多い尾道へと散策。神戸の北野地区と同じように、ここも足腰を鍛えないと暮らせないほど坂のある町です。日頃の運動不足を悔みながら汗だくで坂の途中で休むと、5月の風が心地よく、何より瀬戸内海を見降ろすこの場所に癒しを感じます。
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そして、次に向かう場所はかなりの田舎のようなので、昼食を尾道のパン屋さんで購入しまし、岡山の高梁方面に向かいます。途中偶然見つけた豪邸「広兼邸」は映画「八つ墓村」のロケ地になったようです。ちょうどお昼の時間帯なので屋根のある休憩所でパンを頬張りながら八つ墓村を眺めました。
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今日の目的地「吹屋ふるさと村」です。ベンガラの町として名の知れた地域ですが、ここは喫茶など休む場所が少ないのが残念です。しかし町の景観としては壁や屋根の色を統一した綺麗な街並みでした。
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岡山のホテルに向かう途中、「備中国分寺」を夕暮れ時に見学しました。ここは前回「吉備津神社」を訪れた際、時間の都合で寄れなかった寺でした。
8(つづく)

雑誌「KURA」掲載のお知らせ2016.07.22

お知らせです。
長野県の雑誌「KURA 8月号」
信州こだわりの住まいの項に
弊所で設計した住宅が掲載されております。
只今書店にて販売中かと思いますが、どうぞご覧ください。

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